第一層

- うつつ -

01

Introduce

     The Veiled Real

ここは物質の界。
触れれば温もりがあり、傷つけば痛みがある。
現は、形が形として成立する唯一の層。
だが、どれほど強く抱きしめても、その輪郭は砂のように崩れ落ちる。

人はここで“現実”という仮面をかぶり、
夢と死を忘れて息をする。
それでも、夜が更けるたび、心の底で何かが囁く。
「これはほんとうの世界なのか」と。

その問いが生まれたとき、魂はすでに次の層へ足を踏み入れている。